2. 通貨払いについて
   通貨払いの原則の目的は、1.で説明したとおり、現物給与を禁止することにありま
 す。なお、ここでいう「通貨」とは、日本国内において強制通用力がある貨幣をいい、鋳
 造貨幣(500円玉、100円玉など)、日本銀行券(1万円札、5000円札など)のこ
 とを指します。したがって、日本国内において強制通用力がない、ドル、ポンドなどの
 国外通貨による支払いは、本条の通貨払いの原則を満たしたことにはなりません。しか
 しながら、公益上の必要がある場合には、現物給与を一律禁止することは実状に沿わな
 いので、例外も認められています。現在、労基法においては、法令または労働協約に別
 段の定めがある場合、命令で定める賃金について確実な支払い方法で命令で定める賃金
 について確実な支払い方法で命令により定めるもの(退職手当の小切手払いなど)につ
 いて通貨以外での支払いが認められています。
  また、賃金について銀行等金融期間の預貯金口座へ振り込み、証券会社の預かり金で
 あって労働省令で定める基準を満たすもの(証券総合口座)への賃金払い込みについて
 も労働基準法施行規則により支払い方法として認められるところです。

3. 通勤定期の給与としての支払いについて
   さて、ご質問の場合ですが、まず、通勤手当を定期券で支払うとのことですが、この
 場合、通勤手当が就業規則等においてどのように規定されているかは定かではありませ 
 んが、就業規則等において公共交通機関の定期券代金に相当する金額の手当を支払う旨
 明記されているような場合には、一般に労基法11条の金額と考えられ(昭25.1.18 
 基収130号、昭33.2.13 基発90号)、労基法24条の適用を受けることになります。
  したがって、定期券相当の金銭に代えて定期券を現物で支払うことは、賃金の通貨払 
 いの例外たる現物給与ということになり、労働協約については、労働組合法にいう労働
 者の過半数を代表する者との協定は労働協約ではない旨の通達が示されています
                              (昭63.3.14      基発150号)。

 以上ご説明したことからお分かりのように、貴社で検討されている通勤手当を定期券
で支払うことについては、現物給与になり、労働協約がなければできないこととされています。